映画化で話題の「ラプラスの魔女」は本当にミステリーなのか?

映画化で話題の「ラプラスの魔女」は本当にミステリーなのか?

はじめに

櫻井翔×広瀬すず×福士蒼汰の主演する映画「ラプラスの魔女」がロードショーし、CMによれば大ヒット上映中だそうです。
(ロードショー翌日からもう「大ヒット上映中」を謳っていますがあれは何なんでしょうね、判断が早すぎませんか?笑)

いつも訪れるスタバは館内の本が読み放題なのですが、そこで原作小説『ラプラスの魔女(東野圭吾 / 角川文庫)』が人気上位に配置されていたため、つい手に取ってしまいました。

私自身は恥ずかしながら東野圭吾先生の小説については、名前こそ知っているものの1冊も読んだことがなくて、今回が始めてです。

ですので、他の東野作品と比較して云々といった内容は書けません。あくまで東野ミステリーの初心者として、この『ラプラスの魔女』という小説単体に焦点を絞っています。

いま話題の「ラプラスの魔女」って実際のとこどうなの?

「ラプラスの魔女」について

あらすじ

東野圭吾先生が原作というわけで、この『ラプラスの魔女』も他に漏れずミステリー小説であり、人が死に、その謎を解き明かしていくというスタイルです。ただ、その事件というのが映画CMでさんざん喧伝されている通り、自然現象なのです。
櫻井氏が演じる青江は大学教授であり、広瀬すず演じる円華は自然現象に詳しい謎めいた少女という役柄、CMでは青江に何かしら意見し、青江がえらく反駁していましたね。

私が映画CMやポスター等で事前に知っていた内容はこれくらいでしょうか。

正直↑のような事前のインプットもあって、福山雅治の『ガリレオ』を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか?メインのキャラクターが大学教授である辺り、設定は一見して似ているとも言えそうです。

ちなみに、私は恥ずかしながら『ガリレオ』は見たことがないので、橋本愛が主演した『ハードナッツ』を思い出しました。主人公が天才数学少女ですから、こちらもそれほど設定的にはかけ離れていないと思います。(この時期はちょうど『あまちゃん』『寄生獣』と立て続けに橋本愛がフィーチャーされていて、すっかり追っかけだったという過去もあります。こっちの方が恥ずかしい。笑)

大方の予想通り青江と円華が協力して謎を解き明かしていくストーリーなのですが・・・・・・これはミステリーなのですかね?

ネタバレは避けますが、読み始めてすぐに分かることですので紹介させて頂くと、この小説は「トリックを解明し、犯人を暴いていく」スタイルのものではなく、「当初より犯人は読者にも明かされていて、犯人に迫っていく」スタイルになっています。トリックについても風変わりな色があって、解き明かしていくというのとも少し趣が異なっています。

思うに、これは人の心情を描いたドキュメンタリー作品ではないでしょうか。読者はトリックに驚き、徐々に解明されていく謎に心を奪われるのではなく、キャラクターの生い立ちや苦悩、それらに起因する行動に引き込まれる作品なのだと。

ですから、私としては純粋ミステリーファンというよりも、そういうドキュメンタリー要素を求める読者層の方が、この作品は適しているのかなと感じました。

それ故に、以下では2人の人物に焦点を当てて、私が感じた印象を紹介します。

「ラプラスの魔女」はミステリーではなくドキュメンタリー

青江

冒頭にも軽く触れていますが、地球化学の大学教授です。こういったキャラにありがちですが、作中では凡庸キャラ、常識人といった立ち位置で、コナンで言えば毛利小五郎、金田一で言えば剣持勇、ひぐらしで言えば・・・・・・富竹、ですかね?

皆さんもご承知の通り、世の中の大多数は天才ではなく、程度の差こそあれ平凡な青江タイプの人間です。だからこそ、こういった人物から私たちが学ぶべきことは多いです。

例えば、青江は人の話を聞くことに長けた人物です。あらゆるキャラクターがそれぞれの思惑を持って青江と接触するわけですが、青江は彼らの会話を都度よく吟味し、自分の望む方向性(彼の場合は、自らの知的好奇心のため事件の真相解明を目指します。)にとっての最適を目指します。相手の言葉の裏を読み、それがどういった意図を伴っているのか、であればそれに対してどう受け答えすることで自分は目指すべき方向に近付けるのか、それを都度しっかりと判断し、時に成功し、時に誤ります。

物語の進行においてももちろんですが、こういった人物は現実においてもとても貴重です。と言うのも、人間はともすると他人の話を茫漠と聞いてしまいがちだからです。

私はいつもビジネスに関する記事を投稿していますのでそれに準拠しますと、本来は相手の心の機微を察しつつ話を聞く必要があるということです。その話しぶりや声付き、仕草から、例えばクライアントが不機嫌になってしまった際、それを即座に感じ取り、原因を分析し、今後の話の切り口を自在に操っていく能力が求められます。

こういった能力のトレーニングについて、私はシュミレーションこそが大事だと思っています。だからこそ、これから『ラプラスの魔女』を読もうと思っている、特にビジネスマンには、青江が相手のどういった部分に着目し、どう判断し、そうすることで結果がどう転んだのか、物語の本筋とは違う部分にも着目してほしいです。

青江は平凡、でも聞き上手!

円華

こちらは青江とは打って変わって、天才です。本を開いてほんの触りの部分をよむだけで、物理学か、あるいは数学の天才だということが判断できます。

円華について、私は以前に拝読した第3回小松左京賞受賞の『神様のパズル(機元伸司 / ハルキ文庫)』に登場する、天才物理学少女・穂瑞沙羅華を思い出しました。ほら、名前の最後も同じ「華」という字ですし(笑)

この『ラプラスの魔女』という作品も、↑の『神様のパズル』と同様、男性が天才少女に巻き込まれていくというスタイルなのですが、私が見習いたいと思う部分も共通していて、それは彼女たちの「進路取り」です。

彼女たちの行動は天才ゆえなのか、目標に対していつも最短距離です。目標を達成するためには何が必要であるか、それを達成するためにはどうすれば良いか、今自分がなすべきことは何か、論理思考を忠実にこなすのです。

そして、私が言いたいことは分かりますよねーー

はい、この論理思考もビジネスひいては現実の生活にとても大切です!

人生長いんだから回り道するのも良いじゃないか、そのご指摘もごもっともです。ただし、その意見を肯定できるのはある前提があるからです。

つまり、あえて回り道をしているのであって、必要とあらば最短ルールも算出できる、と。

あえて行う回り道は良いのです、人生の過ごし方はあらゆる人にとって自由ですから。ただし、必要な時にできないのでは困りますね。

日々トレーニングすることで身に着けられる論理思考を、身に着ける前から回り道をしても、いざ目的・目標を見つけた際に、実際にそこに至れないのでは何のための回り道なのか分かりません。

天才少女は芯の強いキャラとして描かれることが多いですから。自分の信じるものがあり、そこを目指していつも行動を起こします。目標に向かってどう動くべきかを教えてくれる格好の教材というわけです。

天才キャラは皆、論理思考の達人!

むすび

近いうちに『ラプラスの魔女』の映画を見に行く予定でいます。

理由としては、この作品は冒頭で申し上げた通りドキュメンタリー性があると私は考えていますので、映像がよく映えるのはないかという考えが1つ。

もう1つは、広瀬すずが好きだからです(笑)

実際に映画を観られた際には、広瀬すずの可愛さも含めてまたレポートします。

「映画→小説」の順番も良いですが、やはり小説が原作の場合、「小説→映画」が良いですよね。どうしても映画では語りきれない部分が、小説を先に読んでいれば漏らす心配もありませんし。

「ラプラスの魔女」はドキュメンタリー色強め、だからこそキャラクターから学べる点は多い!

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